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2013-04-04 更新
マリオン・コティヤール、ジャック・オディアール監督、中谷美紀
配給:ブロードメディア・スタジオ
4月6日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
© Why Not Productions-Page 114-France 2 Cinema-Les Films du Fleuve-Lunanime
仏女優のマリオン・コティヤールが、都内で行われた映画『君と歩く世界』のジャパン・プレミアに、メガホンをとったジャック・オディアール監督と共に出席した。当日は、マリオンと同じ年齢(37歳)の女優ということから花束贈呈ゲストとして中谷美紀も登壇した。
本作は、オスカー女優マリオン・コティヤールを主演に迎えたヒューマンドラマ。事故で両脚をなくし絶望し切ったヒロインが、粗野なシングルファーザーとの触れ合いを経て、生きる希望を取り戻し再生していく姿を描く。
マリオンは、「桜の咲くこの季節に来日できて嬉しいです。でも、滞在時間が短くて観光ができないのがとても残念。きっとまた来日します」と挨拶。一方、オディアール監督は「プロモーションの後は、京都で10日間ほど過ごす予定です」と挨拶し、マリオンを悔しがらせていた。
マリオンは、本作への出演を振り返り、「強いて言えば、病院で自分の足がないことに気づくシーンが一番難しかったかもしれません。でも、これほど強い存在感があるキャラクターを演じることができ、世界一幸せな女優です」と監督に感謝の言葉を述べた。
そんなマリオンに、監督は「いつかマリオンと私のキャリアが交差すると思っていました。彼女の家に行き、彼女の手を取り、出演を依頼したところ、彼女は『はい』と言ってくれたんです」とマリオンにオファーしたときのエピソードを披露した。
ゲストで登壇した中谷は、同作を既に鑑賞したことを明かし、「圧倒されました。両脚だけでなく仕事や自尊心や信頼関係を失った女性が、ある男性との出会いを機に希望の光を見出していく姿に心を打たれました」と感想を述べた。さらに、マリオンについても「ジャック・オディアール監督と素晴らしい信頼関係を築いていて、心から裸になって演じてらっしゃる姿に敬意を覚えます」と惜しみない称賛を送り、マリオンを感激させた。
中谷の賛辞にマリオンは「アリガトウ。言葉も出ないくらいです。女優というのは深いところで思いを共有していると思います。同じ女優である中谷さんにそう言われると、とても心が動きます」と感激の表情を浮かべ、「大好きです」と中谷をハグし、感謝の気持ちを伝えていた。
最後にマリオンは「私たち役者がエネルギーを注ぎ込んで作った映画です」と力強くアピールした。
本作のメガホンをとったのは、『預言者』がカンヌ国際映画祭やセザール賞を席巻したジャック・オディアール監督。カナダの作家・グレイグ・デイヴィッドソンの2編の短編を基に、南仏アンティーブの観光名所マリンランドのシャチ調教師の女性ステファニーとシングル・ファーザーの格闘家アリ―のラブ・ストーリーに仕上げている。マリオンの相手役には、『闇を生きる男』のマティアス・スーナールツ。原題「DE ROUILLE ET D'OS(=錆と骨)」はボクシング用語では血の味という意味になる。
(文・写真:Sachiko Fukuzumi)
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