2010-09-18 更新
ソフィア・コッポラ監督、スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、ロマン・コッポラ(プロデューサー)ほか
配給:東北新社
2011年4月2日(土)、新宿ピカデリー他全国ロードショー!
ヴェネチア国際映画祭にて、ソフィア・コッポラ監督作『SOMEWHERE』(原題)の公式記者会見が9月3日(金)に行われ、ソフィア・コッポラ、主演のスティーヴン・ドーフ、エル・ファニングが登壇した。
ワールド・プレミアとあって、会見にはプレス・スクリーニングを終えた世界各国のプレスが多数参加。
ソフィア・コッポラは、幼いころよりよく訪れていたイタリアの地でワールド・プレミアできることを幸せに思うと、感慨を述べた。
スティーヴン・ドーフ: 正直言って、僕は車の運転はそんなに好きじゃない。僕との共通点はもちろんあるよ。僕はこの主人公のように俳優をしているし、ほとんどの時間を映画撮影に費やしているからね。ジョニー・マルコとの違いは、僕はこの業界の中で育った人間だってことかな。ソフィアとの話し合いの結果、この人物が有名になったのは2年くらい前からってことになったんだ。そして、ものすごい孤独感に襲われている。すごくリアルに描かれていると思うね。
俳優として、この映画に出演できたことはすばらしい体験になった。エル・ファニング、ソフィア・コッポラ、ロマン・コッポラたちとのチームは本当に素晴らしかったね。みんなが一生懸命に関わってくれた。撮影が終わった時はすごく寂しくなったよ。3ヵ月間一緒に俳優たちと仕事をしているってことは特別なことなんだ。僕は毎日オフィス・ワークをしに、会社に行っているわけではないからね。次の映画が始まるまで、空虚な気分になるんだよ。感情の流れ方、脚本の描かれ方もすばらしかったし、特出した才能の監督との仕事だったしね。グラッツィエ(イタリア語で「ありがとう」)。
スティーヴン・ドーフ: この脚本を読んだときに、これは今の僕にぴったりな役だと思ったからだよ。それにソフィアから何かを学びとりたかったから。ソフィアは僕のことを支持してくれていたし、今この時期にこの役をやるということはパーフェクトなタイミングだと思ったんだ。だからどうしてもこの役をやりたいって気持ちにかられたんだよ。
ソフィア・コッポラ監督: この脚本を最初に草稿したときに、スティーブンのことが頭に浮かんだの。彼はすごく才能ある俳優であると同時に、温かいハートの持ち主なのよ。その部分がこの役を演じてもらう上でとても重要な要素だった。だから彼とエルが演じているシーンにほのかな温かさが生まれてきたのだと思うわ。
ソフィア・コッポラ監督: どんなジャンルの映画なのか、なんてことは少しも考えていないわ。自分が興味を惹かれるものを作っていきたいと思っているだけよ。特にそういうことは意識していないわ。
ソフィア・コッポラ監督: 自分が幼いときのロサンジェルスの思い出を今の時代で再現してみたかったの。エルは実際に会ってみて、すごく生き生きとした女の子で、年齢的にもこの役にパーフェクトだって思ったわ。
ソフィア・コッポラ監督: あら、そんなこと深く考えてみたこともなかったわ。私がこの映画の中で特に気に入っているシーンは、二人でプールにいるシーンなの。とても心温まるシーンよね。でも深く考えてことはなかったわ。もし、何かを象徴しているだとしたら、それはピュア(純粋さ)ってことだと思う。
ソフィア・コッポラ監督: この主人公は非現実的な世界の中にいるのよね。すべてがうわべだけの虚構の世界の中にどっぷりと浸かっているんだわ。そんな非日常的な生活に娘が入り込んできて、彼は現実を直視することができたというわけね。
ソフィア・コッポラ監督: 自分が子供の頃、父親のロケ先に同行してよくホテル暮らしをしていたのよ。まさにそこでは興味深い人たちがホテルで暮らしているってことを発見したわ。そこには共同で使える場所もあって、コミュニティーが出来上がっていたの。でもそれを女性ではなく男性の目から通して見てみたかった。
ソフィア・コッポラ監督: この映画をヴェネチア映画祭でプレミア上映できることでとても幸せに思うわ。
エル・ファニング: この女の子は父親がいつも女性に囲まれているってことをよく知っているのよね。“なぜなの? 私はいつもお父さんと一緒にいたいのよ”ってことを彼女なりに主張していたのだと思うわ。
ソフィア・コッポラ監督: 撮影中に妊娠していて、ポスト・プロダクションの時にはその子は生まれていたのよ。だから、脚本を書いたときと、この映画を撮り終えた後では状況が違っていた。その事実は大きなインパクトがあったし、このストーリーに大きく影響していると思うわ。
ソフィア・コッポラ監督: どうもありがとうございます。
エル・ファニング: 彼女はすごく普通の女の子だと思うの。父親とホテル暮らしをしながら、ここに母親がいてくれたら、両親が一緒に暮らしてくれていたらどんなにすてきなことかって思っているのよね。外見的にも普通の女の子だけど、内面も本当に普通の女の子なのよ。とにかく、両親がまたよりを戻してくれることを心から願っている子なんだと思うわ。
ソフィア・コッポラ監督: 私は人間の孤独さとか、孤立感というものにとても惹かれているみたい。
同日、19時半より行われた公式上映では満員の観客から大喝采を浴びた。
(オフィシャル素材提供)