2010-04-06 更新
レオナルド・ディカプリオ
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
4月9日(金) TOHOシネマズ スカラ座 他にて全国ロードショー
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映画『シャッター アイランド』の記者会見が東京・六本木の東京ミッドタウンで行われ、主演のレオナルド・ディカプリオが3年ぶりの来日を果たした。同時に来日が予定されていたマーティン・スコセッシ監督は、次回作の準備でスケジュールが合わず、残念ながら来日をキャンセルした。
『シャッター アイランド』は、精神を病んだ犯罪者だけを収容する絶海の孤島女性収監者の失踪事件を捜査する連邦保安官テディ(ディカプリオ)の苦闘を描いたミステリーサスペンス。
この日の会見は、孤島を舞台にした本作にちなんで、孤島に見立てたステージに座ったディカプリオの周りを報道陣が取り囲むという異例のスタイルで行われた。
この作品と一緒に日本に来られたことをうれしく思っている。日本に来るのをいつも楽しみにしているんだ。
監督は本当に素晴らしい、傑出したフィルムメーカーだ。俳優をパートナーとして接してくれるんだ。脇役に対しても同じだ。一緒に仕事をしていると彼の映画に対する情熱が伝染する。常に限界を押し上げようとする彼の姿勢を尊敬しているよ。僕は、監督についてゴールデン・グローブ賞の時にこう言ったよ。「日本には黒澤(明)監督がいる。アメリカにとってスコセッシ監督はそういう存在だ」と。彼は究極傑出したフィルム・メーカーで、究極のアーティスト、生きる伝統だ。
テディの真相を追究する姿勢は俳優として共感する。彼には周囲を観察する面と、全く見ていない面があるが、前者は俳優として似ていると思う
監督は3~4本の映画を参考に観せてくれた。今回、監督はヒッチコック的な映画を作ろうとしていた。監督はダークサイドの人間を描くのが非常にうまい。彼との仕事は俳優として成長できるだけでなく、映画の歴史を学ぶこともできる。
この作品は、ストーリーに線を引くことが難しい。いろんなエピソードが語られていて、小さな作品を何本も撮っているようだった。監督は主人公の生の感情があらわれるような演出をした。複雑な心情を描き出して映画を味わい深いものにしている。この作品は監督にとって珠玉の一本になったと思う。
きっと他の男性たちと同じ事をすると思うよ(苦笑)。でもこの映画はまったく違うんだ。女性とのことを知りたいなら『ザ・ビーチ』を観て参考にしてほしい。
電気が通っているならテレビかな。世の中で何が起こっているか知りたいからね。
映画(岸壁の場面)に登場したネズミたちはプロ中のプロだったよ! きちんと訓練を受けていて、休憩時間にはランチを食べて、タバコを吸って、本番になるとちゃんと定位置に戻ってくるんだ(笑)。本物は、50匹くらいいたかな。
スコセッシ監督とはずっと一緒に仕事をしていきたいと思っている。話がきたらすぐに飛びつくよ。それだけ一緒に仕事がしたいんだ。でも今のところ、次の作品はまだ決まってはいない。
この作品を観ていただけることを誇りに思っている。どんでん返しもたくさんあるけれど、テディが過去やトラウマから自分を発見していく心の旅を描いた作品でもある。
まずは、オープンマインドな状態で、この話に乗ってほしい。予備知識なしで劇場へ行ってほしい。この映画は2度、3度観ていただくと、違う解釈ができる作品だよ。
35歳、ずいぶん大人になったレオ様。今回は複雑な心理状態に置かれた主人公を渾身の演技で見事に演じきっている。名匠マーチン・スコセッシ監督との仕事がレオを俳優としてより大きく成長させたのだろう。
謎が謎を呼ぶストーリー展開が難解なので、まずは吹き替え版をお勧めする(英語が理解できる人は別)。謎解きに集中できて大いに楽しめる。その後、再度トライしてレオ様の生声をどうぞ。
(文・写真:Sachiko Fukuzumi、※トップ画像のみオフィシャル素材)