2021-02-25 更新
映画評論家トニー・レインズに「ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』以来の、近親相姦を描いた秀作」と言わしめた本作品は、1991年のベルリン国際映画祭出品を皮切りに、メルボルン、バンクーバー、ロンドン、ロッテルダム、ヨーテボリ、ヘルシンキなど世界各国の映画祭で話題を呼び、92年にはベルギー王室主催ルイス・ブニュエル「黄金時代」賞を受賞。日本公開時には10代の若者たちの熱狂的な支持を受け何度も見返す観客が続出した。
「映画は理解するものではなく、感じるものだと思っている」と監督の矢崎仁司が語るように、色、光、音、極端に少ないセリフは、言葉では言い表せないイメージを繊細に映し出し、感情を揺さぶる。記憶の中に漂う原風景とでも言うべきその空気は、何度でも思い起こす程に、鮮明になって行く。
兄と妹がいた。
妹は兄をとても愛していた。
いつか、兄の恋人になりたいと、心に願っていた。
ある日、兄が記憶を失った。
妹は、兄に恋人だと偽り、病院から連れ出した。
記憶喪失の兄は、恋人だという女と一緒に暮らし始めた。
そして、兄は恋人を愛した。
恋人の名はアイス。
氷の季節と花の季節の間に三月がある。
三月は、嵐の季節。
(1991年、日本、上映時間:118分)
キャスト&スタッフ
監督・脚本:矢崎仁司
脚本: 宮崎裕史、小野幸生
撮影監督:石井 勲
出演:趙 方豪、由良宜子、奥村公延、芹 明香、内藤剛志、伊藤清美、石井聰互(友情出演)、長崎俊一(友情出演)、山本政志(友情出演)ほか
配給
アップリンク
2月26日(金) アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、アップリンク京都ほか全国順次公開
■ オフィシャル・サイト: https://uplink.co.jp/lion/ (外部サイト)
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