2021-01-30 更新
綾野 剛、舘ひろし、磯村勇斗、小宮山莉渚、藤井道人監督
映画『ヤクザと家族 The Family』の初日舞台挨拶が都内で行われ、主演の綾野 剛、共演の舘ひろし、磯村勇斗、小宮山莉渚、そして藤井道人監督が登壇して作品について語った。
本作は1999年、2005年、2019年の3つの変わりゆく時代にヤクザとして生きるしかなかった男と、彼を取り巻く人々を、抗争ではなく家族や継承をテーマに描かれる。日本アカデミー賞6部門受賞に輝いた『新聞記者』のスタッフが再集結した。舞台挨拶は全国272劇場へ同時中継で行われた。
広域指定暴力団の3次団体・柴咲組の若頭補佐・山本賢治役を務めた綾野は「初日を迎えられたことを感謝しています。公開出来て、本当に嬉しい」とコロナ禍の中、上映にこぎつけた喜びを噛みしめながら挨拶した。
作品について綾野は「周りからの評判も良くて、友人からは『泣いた』と言われました。素直に傑作だと思います。自分自身の集大成であることは間違いないし、本当に最愛の作品です」と自信を覗かせた。
憧れの舘と共演について聞かれると、「情報過多の時代ですが、舘さんは、しゃべらなくても佇んでいるだけで物語がある。言葉ではなく、背中で演技をすることが出来る方」と尊敬を込めて、大絶賛した。また、この日に着ていたスーツは舘からのプレゼントであることも明かしていた。舘は「僕が着るより全然かっこいいんで、返してほしいなと思いますね」と笑顔で明かし、会場に笑いを誘っていた。舘は、柴咲組組長・柴咲博役を務めている。
「誰にこの映画を観てほしいか?」と聞かれると、綾野は、「いまやっている現場のスタッフやキャストに観てほしい」とコメント。舘は「亡くなった、渡(哲也)さんに観てもらいたいと思います。渡さんは、僕に自信をつけようとしてくれて、いつも褒めてくれていたんです」としみじみと語っていた。
撮影での思い出を聞かれた磯村は「現場はどれも、今でも覚えているくらい濃厚な時でした。綾野さんと小宮山(綾野演じる山本の娘・彩役)さん、2人との共演シーンにはグッとくるものがあった」と話した。笑顔で聞いていた綾野に向かって、「綾野さんって、こういうチャーミングな顔をするんです。愛おしい、兄貴ですね」と思いをぶつけていた。磯村は、賢治に憧れる木村 翼役を好演している。
映画初挑戦、初舞台挨拶に出席した小宮山は、「監督と綾野さんから『自然体でいてね』と言われたことで、リラックスできました」と話し、思い出に残っているシーンには朝食を食べる場面を揚げていた。
終盤、今月26日に39歳の誕生日を迎えた綾野に、サプライズで「39GO」と花文字で描かれた薔薇の花のギフトがプレゼントされた。「うわぁ~嬉しいです。幸せです」と驚く綾野。舘から「いくつになったの? 39はやりたい放題だよね(笑)」と笑顔で突っ込まれ、綾野は照れ笑い。舘が「今回はありがとう。綾野くんに引っ張られてこの映画が出来たと思う。これからも何かあったら使ってください」とお願いされる場面も見られた。
最後に綾野は「(コロナが終息しない今)皆さんの心を華やかにできるような、心の疲弊を少しでも止められるような映画を届けたいと思っています。また皆さんに会える日を楽しみにしています」と熱いメッセージを伝えた。
(取材・文・写真:福住佐知子)