2018-01-28 更新
雨宮慶太総監督
原作・総監督:雨宮慶太
1959年、千葉県浦安市出身。映画監督、イラストレーター、キャラクターデザイナー。
88年の『未来忍者 慶雲機忍外伝』で監督デビュー。その他の監督作に『ゼイラム』(91)、『仮面ライダーZO』(93)、『仮面ライダーJ』(94)、『人造人間ハカイダー』(95)、『タオの月』(97)など。
また近年は自ら原作まで手がけることも多く、これまでに「鉄甲機ミカヅキ」(00・CX)、「牙狼<GARO>」(05・TX)、「衝撃ゴウライガン!!」(13・TX)など。
分野を問わず多彩な活動を見せ、日本に限らず海外でも認知度は高く、熱狂的なファンも多い。
映画監督のみならず、イラストレーター、キャラクターデザイナーとして注目を集め、海外のファンも魅了する映像クリエイター・雨宮慶太(『ゼイラム』(91)、「牙狼<GARO>」シリーズ)が原作&総監督を務める、日本古来の妖怪と人間との戦いを描いた映画『ROKUROKU』が、新宿K’s cinemaにて公開中だ。
ろくろっ首、ぬり壁、カラ傘、猫目など、誰もが知っている異形の存在を大胆不敵にビジュアル化。新しいけれどどこか懐かしい、美しくも恐ろしいモンスターたちと人間との戦いを描いたネオ・サイバー・ホラー作品となっている。
この度本作の総監督・雨宮慶太の公式インタビューが到着した。“妖怪”への想い、また映画に登場する美しくも恐ろしい妖怪たちの独創的なデザインに至るまでのこだわりなど語った。
ホラー映画というジャンルでありながら幽霊や亡霊ではなく、あくまでも妖怪モノとして作品を完成させることを意識しました。
もともと妖怪が好きだったということが大きいです。子どもの頃は水木しげる先生の作品や大映の妖怪映画が好きで、繰り返し読んだり観たりするほどの妖怪好きの少年だったので、いつか自分が考えた妖怪を映像化したいなと思っていました。
本来、妖怪は実体が無いもので、それを先人たちがイマジネーションを駆使してビジュアル化したと解釈しています。それならば自分なりに妖怪をビジュアル化したら楽しいだろうと考えて、今まであまりなかったアプローチ、妖怪をすべて女性モティーフで表現したら?という発想が浮かびました。
幼少の頃のろくろ首のイメージです。今までのろくろ首とは違う、首が異様に太くがっしりした妖怪。それを具現化したのがロクロクです。他の妖怪も、怖いけれどどこかユーモラスな部分が同居したデザインに出来ないかと思考錯誤してカタチを考えました。
妖怪とは何なのか? 幽霊や亡霊と違って妖怪の正体には様々な解釈があると思います。自分は妖怪とは実体が無い自然現象と、その場に残留した生き物の思念(悪意だけではなく)が融合したものなんだろうと考えています。彼女ら(妖怪)と遭遇した人たちは怪異に遭遇して不幸になります。しかしそれらすべてが悪意なのかというと、遊んでいるだけなのかもしれません。それらをハッキリとではなく、答えが出ないものとして描いているからだと思います。妖怪とは何なのか? ひとつだけ明確に言えるのは、その答えがみつからない存在、それが妖怪なのです。
一反木綿、大かむろ、泥田坊、濡れ女、河童、ぶるぶる、など。まだまだ出したかった妖怪はたくさんあります。
企画の原点がオムニバスのホラー映画だったからです。
不可解な現象ではなく、やはり人間の中にある狂気が一番恐ろしいです。
妖怪の造形は完成までに衣装やメイクを試行錯誤しました。合成とCGはいつもそうですが納得するまでやるので、ポスプロスタッフは大変だったと思います。
怖いけれどどこか憎めない可愛らしさがある妖怪にしたかったので、綺麗だけど子どもっぽい佇まいの野本かりあさんに全ての妖怪を演じてもらいました。野本さんがいなかったら、それらの狙いがカタチにならなかったと思います。
便利な物に囲まれて欲しい情報が瞬時に手に入るようになりました。もう怪異がはびこる隙が無さそうな時代ですが、それでも得体の知れないモノたちはいます。でもそれらに対峙する勇気は、超人ではない普通の人の中にもあるんだと信じています。
(オフィシャル素材提供)
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